top of page

第二話
「一緒に2000万円貯金の山に登りませんか?」
③一緒に2000万円貯蓄の山に登りませんか?
昔、登山家は答えました。「そこに山があるから」と昔、登山家は答えました。この逸話はイギリスの登山家「マロリー」が答えたと伝えられています。正しくは「そこにエベレストがあるから」だそうです。
さて、これまでお話ししてまいりました通り、これから日本で貯蓄をしようと思うなら好む好まざるに係わらず、傾斜のある貯蓄の山を登らざるを得ません。階段で登れる貯蓄の山はもう無いに等しいからです。
しかし、ご安心ください。これまでお話ししました杖(「金融リテラシー」)と登山靴(「投資信託」)の準備ができていれば半分は登ったようなものです。あとは一歩一歩少しずつあきらめずに登っていくだけです。ジグザグジグザクしながら、或いは山の周囲を周回するように長い山道をのぼります。
さて、どこまで登るのでしょうか。頂上を目指したいですね。しかし頂上はどこにあるのか木々や傾斜が邪魔をして見えません。どの方向に登ればいいのでしょうか。特に初心者コースはジグザグ方向に登るので見当さえつきません。ということは、自分の中で意識した頂上がゴールです。そこまで登るという意志みたいなものが必要です。
同じように、貯蓄も目標額の設定と何のために貯蓄するのかという目的意識をみたいなものを持つことが必要です。
記憶にある方も多いと思いますが、金融庁は2019年に「老後2000万円問題」を報告して社会問題になりました。金融庁は豊かな老後生活を過ごすために推進している「金融リテラシー習得」の一環としてモデルケースを試算したものだと思われます。しかし、人それぞれではありますが、これは今の高齢者の問題ではなさそうです。2020年に総務省が発表した家計調査報告によると65歳上世帯の平均貯蓄額は2000万円を超えているのですから。思い起こせば、いつの時代にも「今の高齢者ではなく、これから将来老後を迎える若者が大変だ。」と繰り返されてきたように思います。
つまり、私たちはいつの時代にもその時代の変化に合わせて工夫を重ねて対策をしてきているという事でしょうか。従って、これからの時代もこれからの方法で貯蓄の山に登っていくことが大切だと思います。
そこで、この政府のモデルケースに合わせて、65歳時に老後資金の目標額2000万円を約30年かけて目指すことにしましょう。
貯蓄手段として利用するのは「投資信託」という金融商品です。初心者向けの貯蓄手段としてすでに述べてきた通りです。一般的に投資信託は一時金を投入する方法ですが、ここで貯蓄として用いるのは毎月積み立てる積立投資信託「積立投信」を前提としています。今後は貯蓄手段として「積立投信」と一般の「投資信託」とを区別して表現していきたいと思います。

bottom of page