top of page

第一話
「日本の金融リテラシー」

②    貯金の変化

しかし、高度成長時代から低成長時代に進むにつれて有利だと思っていた貯金は魅力が薄れてきました。なぜなら、高かった金利が低迷してきたことと、大手銀行や証券会社などの破綻で金融機関は倒産しないという安全神話が崩壊して金利や元本保証が約束できないという風に変わってきたからです。

従来は金融機関などを国が監督して国が預金の全額を保証していました。親(国)の言うことを聞いていれば何か問題が起こっても親(国)が何とかしてくれていたわけです。しかし、規制緩和と引き換えに自己責任を金融機関に義務化しました。つまり、戦後50年余りが過ぎ、金融機関は一人前になったので、あまりうるさいことは言わないので、あとは自己責任でやりなさいというように親(国)離れさせられたのです。

money_kinri_heru.png

早速、親(国)の後ろ盾が無くなった銀行は、2005 年にペイオフが解禁され預金 1000 万円とその利息が法律で保証されるようにしました。そして、それ以上については銀行の保証はなく、銀行を選ぶ国民が責任を負うということになりました。つまり国民は、金融に関してお国任せではなく最低限の金融に関する知識を身に着けて自己判断で貯金を選んでいかないといけない時代に変わ ったということです。金融リテラシーの時代がはじまったのです。自分のお金を貯金するにも、どこに預けて何にするのかなど自分で考えなければならない自己責任の時代になりました。

money_tsuchou_shock_man.png
soudan_financial_planner_young.png

誠に面倒な時代になりました。その一方で面倒と思う人は案外少ないかもしれません。なぜなら、そのかわりに従来銀行など金融機関を経由しないと取り扱い出来なかった有利な金融商品などを直接扱えるようになったのですから、自己責任ではあるがこちらの方がいいと考える人も多いかもしれないからです。

kabu_chart_man.png
money_kasoutsuuka_kasou.png
money_title_nisa_tsumitate.png
野瀬さん_ふくろう2.png

​POINT!

bottom of page